カテゴリー「ヤミタイ通信」の4件の投稿

2009年1月 6日 (火)

ヤミタイ通信4

ヤミタイ通信4

萩尾望都さんの1985年作品「スロー・ダウン」は、今更ながらとても興味深いです。心理実験を美しく表現した萩尾さんならでは人物描写といえます。初めて読んだ時に、こんな題材がマンガになるのかと衝撃を受けました。

【内容】SF的シチュエーションの短編。ルイは、ボランティアかアルバイトとして、「実験」に参加。視覚、聴覚、触覚を遮断された状態で、地下室に隔離され、一人で過ごさなければならない。(しかも、外からは研究者たちが、ルイを完全にモニタリングしている)時間が過ぎるにつれ、ルイの意識は次第に不確かなものとなり、精神的な混乱に陥っていく。そこに、食事を受け取るボックスから、誰かの手が一瞬垣間見え、思わず強くその手をつかんでしまうというアクシデントが…

「感覚遮断実験」

生活的活動と食事とトイレ以外はまったく行わせず,感覚的なあるいは意味のある刺激入力を極度に制限する実験が,「感覚遮断実験」である。
この実験では,ほとんどの感覚が遮断される。そのため,被験者は初め,よく眠る。だが,そのうちに不快さを訴えるようになり,2,3日この状態を続けると,思考に乱れや空白が生じる。
これらの実験から言われていることは,人間の心理状態の維持にとって適度な刺激が必要であること,自発的で自主的な行動をする必要があること,そして,そうした活動の制限が行動への動機付けを生じさせていること,の3つである。
(参考文献 心理学 出版社:東京大学出版会)

どうやら適度な刺激が人間を安定させているようですね。

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2009年1月 4日 (日)

ヤミタイ通信3

ヤミタイ通信3

群盲象を評す

最近、金融危機を伝える情報サイトで、この比喩を「論ずる対象が同じであっても、その印象も評価も人それぞれに異なる」と言う意味や「僅か一部分を取り上げたところで、その事象の全てが分かる訳ではない」と言う意味で、よく目にするようになった。どんな話かというと・・・

鏡面王は言った、「すぐに、象の所へ連れて行ってやれ」、家臣が王の命を受け、この盲人達を象の元に連れて行き手を引いて、盲人に示した。

中には、足を触る者、尾を持つ者、尾の根本を持つ者、腹を触る者、脇腹を触る者、背を触る者、耳を触る者、頭を触る者、牙を触る者、鼻を触る者がいた。

盲人達は象について、各々の見解を争い、自分は正しく他の者は間違っていると収拾がつかなくなった。                                                                                             

家臣は王のもとに連れて帰った。王は、「お前達は象を見たことがあるか」と聞いたが、見たことはないと答えた。王は「象とはどういうものだ」と聞いた。

足を触った者は「大王様、象とは立派な柱のようなものです」と答えた、

尾を持った者は箒のよう、尾の根本を持った者は杖のよう、

腹を触った者は太鼓のよう、

脇腹を触った者は壁のよう、

背を触った者は背の高い机のよう、

耳を触った者は団扇のよう、

頭を触った者は何か大きなかたまり、

牙を触った者は何か角のようなもの、

鼻を触った者は「大王様、象とは太い綱のようなものです」と答えた。

そして、王の前で「大王様、象とは私が言っているものです」と再び言い争いを始めた。

鏡面王は大いにこれを笑って言った、「盲人達よ、お前達は、まだありがたい仏様の教えに接していない者のように、理解の幅が狭いのだね」。      ウィキペティアより参照

「群盲象を評す」のたとえは、否定的な意味として使われる事が多いが、見常者が見える事でわかったふりをして、触るという行為に至らずに知覚の一部を遮断してしまい逆に理解の幅を狭めているとも受け取れる。視覚を遮断した触覚に関する企画は筑波大学にて昨年「暗闇でさまざまな物に“さわる”「触文化」体験ワークショップ」として行われましたが、ヤミ・タイプロジェクトとしても視覚障害者の体験とは違うスタンスで、ぜひ行いたいと思います。

 

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2008年12月20日 (土)

ヤミタイ通信2

ヤミタイ通信2

ヤミタイ通信1での暗闇で起こる「知らない人同士掴みあってフォローする行動」について心理学的に調べてみましたところ、「若手社員(新入社員)の心理術・処世術・心理学辞典」http://shinri.c-goto.com/jikken4.htmlというサイトに暗闇効果 Darkness effectの概要説明のから。

・暗闇効果とは、暗闇が持つ不安感や秘匿性、一体感を感じやすい事に影響を受け、他人との関係が急速に親密なものになりやすくなる効果の事。
暗いが故に、不安感を打ち消すために誰かの存在を近くに感じていたいという感情、物理的に近くにいかないと見えないという事実、容姿の欠点を隠してくれる事による安心感などにより、物理的・心理的な距離が縮まるとされています。また、キャンプファイヤーやナイトクラブで感じる一体感や開放感には、暗闇と一点に輝く強い光の影響が大きいとされています。

 ナイトクラブの方はお酒による相乗効果も大きいと思いますが、暗闇の中で集団行動するという事は暗闇効果によって他者との関係性が親和的になるのは間違いなさそうです。またヤミタイでも強調している事ですが、一人で暗闇にいる事を好む人や暗闇自体が好きな人よりも、暗闇の中で過ごした後、一点の光から序じょに明るくなり、さらに外に出て行く時の開放感に興味を持つ人が好ましく、参加者自身にその心の小さな変化を感じてもらえるよ事を重視しています。

 

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2008年12月13日 (土)

ヤミタイ通信1

ヤミタイ通信1

12/6に行われた暗闇の中で身体を動かすワークショップ「ヤミタイ」は、思ったより多くの方々
に関心を持って頂きました。まだソフト的に未完なところがあり、現在試作を続けながらバージョンアップしていきます。またヤミタイ通信では暗闇に関する様々な情報をお伝えします。

・現在、まだ公開中の映画「ブラインドネス」で出演されている伊勢谷さんのインタビューから一説

ー盲目を演じる為のトレーニングがあったようですね。ー
 アイマスクをして、動き回る中で、物にぶつかったり、車が通ると実際よりも近く感じる恐怖感に知らない人同士掴みあってフォローする行動や視覚以外から情報を取り入れようとしていることに気づきました。
この映画における“目が見えていない”という設定は“僕達が今いる現代”をあらわしている。(buaiso誌12月のインタビューから)

この「知らない人同士掴みあってフォローする行動」は、私自身6年前に初めてダイアローグ・イン・ザ・ダークの中で経験して驚きました、電車の中で見知らぬ人と接触する事があれだけ不快なのに何故、暗闇の中では触れ合う事が安心に変わるのか、その時は人は危機的状況になると助けてもらいたいし、同時に助けたいという本能の様な物が表れるのではと考えていました。そして安全が確信している場では、それが働かなくなり互いに無関心になり、更にイヤホンをしていれば完全に自分の世界に入る為、ぶつかっても謝りもせず、何も感じなくなるのでは・・・・・、JRさんへ、イベント電車で1車両を完全暗転にして助け合いがおこるか実験してみませんか!、但し男女別にした方が良いでしょうけど(笑)。

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